私が今回の課題を受けて模倣するモデルとするのはUBIソフトが開発・販売元となっているゲームシリーズ、Watch Dogsシリーズに登場する「デッドセック(DedSec)」という組織です。このモデルをもとに私はエンジニアリング、プログラミング、システム開発などの「IT分野での技能向上を志す者たちの学習コミュニティ」を設立したいと考えました。本課題では以下このコミュニティを「コミュニティ」と称します。

 Watch Dogsは凄腕のハッカーを主人公にしたゲームであり、デッドセックは現実世界でいうラルズセック、リザードスクワッドのようなクラッカー集団として描かれていますが、私が設立したい学習コミュニティは知識や技術が優れた人が集まり、各々が自身の仕事、活動にコミュニティで獲得した知識技術を活かす事が出来るという相乗効果の発揮を目的にしています。私がこのデッドセックを画期的に思った点は2点あります。1つ目はデッドセックは一つのジャンルの専門家のみではなく様々なジャンルの専門家たちが集まっているという点です。上にはハッカー、クラッカー集団だと記しましたがデッドセックにはプログラマーからロボット工学、UI、デザインやデータ解析などITという大まかな分野は同じであれそれぞれが違うジャンルの専門家が属しています。これにより主人公はゲーム内でロボット工学の見地から生みだされたドローンなど新たな武器を駆使したり、データ解析などで戦闘を有利に進めるなどのメリットを得る事が出来ました。これを現実世界に置き換え、学問と学問を足すのではなく累乗させることでコミュニティに属してない者たちとは一線を画す斬新で新しいアイディア、創造性が生まれると私は考えており可能性を感じています。2点目として、デッドセックでは様々な人種が属しており、思想、主義、観点の違いはもちろんパーソナリティや障がいに対しても多様性重んじており、キャラクターは自らを主張し議論する事は多々ありますが決して他人を否定したり受け入れないという事はありません。わたしはこの点が美しいと考えています。現実世界の現代ではテクノロジー企業従業員の多くが同じ大学の出身者であることから思想や主義が一偏している事が問題視されており、2016年にはFacebook社の社員が選挙中に意図的にプラットフォーム操作を行い保守的なニュースを除外していた事が発覚するなどの事件から、私たちが多くの場面で利用するサービスだからこそ名のある大学で技術のみを習得した学生のみではなく様々なバックボーンをもつ者をIT業界へ輩出するべきだという議論がなされています。そのような問題に対してデッドセックは人種や性別だけではない真の多様性を実現しておりコミュニティに属する者は自らの思想をアップデートし、さらにそれをコミュニティ外に持ち出すことで社会に多様性の実現をもたらすことも可能であるとも私は考えています。

 ここまでの構想で「模倣の心構えを万全とする」「模倣対象を参照する」「情報を探索し、標定し、選択する」は克服できたと思いますが、私が1番難しいと考えているのは「対象の脈絡を理解し、自らに適用する」と「対象に深く潜り込む」です。なぜなら設定は作りこまれていますがデッドセックはあくまでゲーム内の架空の組織であり研究するには限度があるからです。このポイントが今回の課題で私がオリジナリティを取り入れるべき点でもあると思います。まず、ゲーム内のデッドセックには人々の支配を目論むブルーム社という絶対的な敵を共通の敵としておりその目的を持った者が集うというのは自然な流れですが私が現実世界に創るコミュニティには当然、敵と言う概念はありません。また、このコミュニティの特性上プロフェッショナルとまではいかなくてもあるジャンルに一定の知識、技術を持った専門家同士であるという関係性が理想です。そのことから上で説明したデッドセック的コミュニティだからこそ得る事が出来る累乗のメリットや多くの思想、バックボーンに触れられるという事の価値を分かり易く正確に人々に伝え同志を募る必要があります。

 そして、1番大きな壁は人種、言語の壁です。私は日本人なので、日本で日本語を使って組織したら当然同じ日本人の専門家たちが集う可能性が高いです。それだけでも価値はありますが本当のデッドセック的コミュニティを実現し本当の意味で多様性を現実にしコミュニティ内で学問と学問の掛け合わせを実現するには世界的に多くの人々に参加してもらう事が理想です。また機能を高める為に活動を活発化させるには1対多数という構図ではなく個人*個人*個人という風な繋がり方がより効果的なのではないかと考えているため異人種間、異言語間でよりスムーズに交流を進める為の工夫が必要になります。ゲーム内のデッドセックは英語話者が中心となっていたので様々な人種や思想を持っている人が集まりました。この2点は私がこのコミュニティを実現するにあたりの重要な課題になると考えています。

 以上の様に様々な課題がある私の模倣計画ですがもし、本当に実現出来たら。今までの世の中にいなかった新しい創造者が多く在籍するようになり、世界に輩出され、リーダーシップを発揮し来たる新しい情報社会を支える存在となるかもしれません。また、あくまで私の個人的な予想ですが近い将来人は宇宙へ進出し始めると思っています。その時に白人黒人黄色人種と分けて考えるのではなく同じ地球人として協力し合える世界の理想への一助になるのではとワクワクしています。

 そしてこの途方もない話のそもそもの引き金は既存コンテンツの模倣、コピーである事に改めて可能性を感じました。前回課題でも述べたように今後は模倣する事にこのような壮大な可能性が眠っている事を認識しながら学習して参りたいと考えています。

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